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Eyewear for Mountain


サングラスのテストとレポート
白馬岳 一泊二日 秋山登山の旅


■Published:2017-09-24
■Categories:登山用サングラス, 偏光レンズ, 夜間用眼鏡


●日程 2017年9月19日(火)~9月20日(水)
 天候 晴れ
 移動距離 約16.1km

●1日目

 栂池高原駅(8:00)…栂池自然園(8:45)…天狗原(10:30)…乗鞍岳(11:50)…
 白馬大池山荘(12:30)テント泊

●2日目
 白馬大池山荘(4:50)…小蓮華山(6:30)…三国境(7:15)…白馬岳(8:10)…
 白馬山荘(8:35)…白馬岳頂上宿舎(8:50)…葱平(9:50)…
 白馬尻小屋(12:25)…猿倉(13:25)


<秋山登山のレポート>

台風一過で二日間ともに天候に恵まれた登山となりました。
二日目の朝は雲に覆われ、朝日や山頂からの絶景を見る事が出来ませんでしたが、栂池スカイラインと呼ばれる稜線は美しく、気持ちの良い稜線歩きが出来ました。

服装ですが、気温差が大きく、白馬大池まではインナーに長袖シャツで十分でしたが、二日目の稜線歩きはとても風が強く、インナーダウンにハードシェル、ネックウォーマー、グローブが必要でした。

紅葉の様子は、草紅葉が徐々に進み、天狗原や白馬大池前、小蓮華山の東側斜面、何といっても白馬岳頂上付近がとても綺麗でした。

登山道は、天狗原から乗鞍岳までの大岩の急坂に一番苦労しました。
小蓮華山から白馬岳までの稜線は、強風の為、谷側に落ちない様に慎重に歩きました。

雪渓は秋道になっており、歩いた距離が短く残念でした。
雪渓の取付きは分かり難く、ピンク色のリボンが目印のようでしたが、最終的には登って来られた登山ガイドの方が、丁寧にルートを教えてくれました。
アイゼンは使用しませんでしたが、下りでは使用した方が良いと思いました。
雪の無い道は、ガレ場や水はけが悪く、歩き難い為かなり疲れました。

使用したサングラスは、一日目に調光グレーレンズと、偏光グレーレンズ。
二日目は調光ブラウンレンズと、偏光ブラウンレンズ。
サングラス未使用の登山者の方が多く、紫外線からも強風からも眼を守る事が出来ないので、とても恐ろしいと思いました。

交通手段は、新宿~栂池高原まで夜行高速バスを利用しました。
猿倉~白馬八方までは、平日の為バスが運休しており、タクシー(¥3.100)を利用しました。
タクシーも基本的には待っていないので、猿倉荘のスタッフの方に電話で呼んで頂きました。

最後に、白馬八方インフォメーションの目の前にある八方温泉(入浴料¥800、タオルセット¥300)に入って疲れを癒してから、高速バスに乗りました。

八方インフォメーションの2階がモンベルショップになっており、登山で急遽足りなくなった物や、着替えなどが購入でき、便利だなぁと思いました。

今回の登山で思ってもいないハプニングが起こりました。
個人的にとても恥ずかしい事でしたので、お伝えするべきか迷いましたが、一歩間違えれば怪我や事故につながっていたと思うと、登山に携わる仕事をしている身として、やはりお伝えするべきと判断しました。

そのハンプニングとは、五年間使用した登山靴のソールが剥がれてしまった事です。
それも、一日目の早い段階で両足ともに剥がれました。
白馬大池山荘のスタッフの方に相談したところ、針金で縫い付けるか、新しい靴(販売している事にびっくり!¥20.000でした。)を買うか、どちらかと言われました。
幸いミッドソールが残っていたので、無謀にもそのまま登山を続けました。
登りはともかく、下りの岩場やガレ場では、グリップがきかず時間と体力を奪われました。

日頃から、サングラスにも寿命がある事をお客様にお伝えしていました。
もちろん、靴やそれ以外の物にも寿命があることは理解しているつもりです。
ただ今回、登山における重大な役割をもつ登山靴のメンテナンスを怠ってしまった事を、とても反省しました。

登山をより安全に楽しんで頂ける様、今回の事を教訓にし、これからもお客様へサングラスのサポートをしていきたいと思います。


追伸

後日、登山靴でお世話になっているアメ横のとらやスポーツさんに、ソール交換の依頼に行って来ました。

ソールの交換は基本的に3年~5年で、5年経つ前に交換が鉄則みたいです。
¥14.000程で出来るようです。
この際新調しようかと思います。


<サングラスのテストと報告>

▼今回使用したサングラスとレンズ。

サングラスは、左から Z-4が3つ  オークリーのフラックジャケットが2つ。
レンズは左から偏光グレー、オレンジカラーレンズ、グリーンカラーレンズ、調光グレー、調光ブラウン。




▼それぞれのレンズの見え方

  
左:未装備(裸眼) 右:TALEX_トゥルービュー

裸眼だと、写真で見るより、実際は目を細めるぐらい眩しい。
タレックスのトゥルービューは、裸眼に最も近い見え方。
風景の色が変わらないので、サングラスが苦手な方でも抵抗なく掛けられる。


  
左:TALEX_ラスタオーレンジ 右:TALEX_イーズグリーン

ラスターオレンジは、草木の緑がくっきり見えるようになり、コントラストが上がるのがわかる。
イーズグリーンは、より自然に見え、明るいが、コントラストはやや落ちる気がする。


  
左:調光レンズグレー 右:調光レンズブラウン

調光レンズ(グレー)は、偏光レンズよりも濃くなるが、掛けても暗さはそれほど気にならない。
調光レンズ(ブラウン)は、裸眼と比べ色の変化が大きく、一番暗く感じた。


▼ 総評 ▼

今回使用した偏光レンズの透過率は30~40%で、登山の様な環境が大きく変わるスポーツにおいて日中であればちょうど良い濃さだとわかりました。
特に偏光グレーレンズは、明るいのに眩しくない。
偏光オレンジレンズを、雪渓で使用しましたが、雪面の変化が良く見え、ガスった暗い状況でも使用できました。

しかし、偏光レンズでは翌朝早めの出発の際、暗くて掛けられない。
紫外線が無くとも、強風から眼を守るため、アイウエアが必要な時もある。偏光レンズ1本だけでは厳しいかも。
そんな状況でも調光レンズであれば使用できました。

紫外線で反応するレンズの為、帽子のツバで紫外線が防がれてしまい、色が変わり難いのではとテストしましたが、ムラ無くレンズ全体が調光し、全く問題ありませんでした。
調光ブラウンの方は色の変化が大きい為、サングラスに慣れが必要か、好き嫌いがはっきり分かれるレンズかもしれません。



▼ 旅路での写真 ▼


左:栂池自然園から天狗原までの林道から見る白馬三山。
右:林道を登り切れば天狗原の湿地帯。



左:天狗原の湿地帯では所々紅葉。
右:乗鞍岳までの安山岩の急坂。途中、雪田を横断。



左:乗鞍岳の頂上は大きなケルンが目印。
右:乗鞍岳より白馬大池へ下る。



左:白馬大池山荘の前はチングルマが咲く草原が広がる。
右:無残な姿の靴底。



左:大池よりライチョウ坂を登れば気持ちの良い稜線。
右:通称、栂池スカイライン。映画の舞台にもなる絶景。



左:小蓮華山の東斜面。鉢ヶ岳、雪倉岳の稜線も美しい。
右:三国境より白馬岳に続く稜線。



左:白馬岳頂上付近。赤黄緑のコントラストが美しい。
右:葱平から見る白馬杓子、白馬鑓ヶ岳。



左:雪渓は秋道を通る。落石に注意しながら慎重に。
右:下り終えた雪渓を振り返る。